感想日記

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フライトプラン2015/09/23 


サモンナイトを制作している会社ではなく、映画の方です。
2005年の映画なのですが、昨日BS-TBSでやってて見ました。
ネタバレありますのでご注意。

 

概要
アメリカに向かって飛ぶ飛行機の中で突如消えた娘。
フライトアテンダントや機長を巻き込んで捜索するも見つからず、しかも乗客名簿には娘の名前は無い…。
あげく、照会したところ娘は数日前に死んでいたという情報まで出てきてしまう。
確かに手を繋いで搭乗した娘。空港では迷子になりかけたり、お菓子をねだって買ってあげたりもしたはず…。

おかしくなったのは自分の頭か、あるいは世界の方か。
高度一万メートルで繰り広げられるミステリー・サスペンス!
ではまったく無い。

もう一度言おう。これはミステリーではない。ダイハードだ。

宣伝などでは、上空の密室で消えた娘を追うミステリーのように語られていますが、信じてはいけません。
これはミステリーと思って見るか、ミステリーの皮を被ったクソ映画として見るかで感想が180度変わります。
ミステリーと思って見るとクソ映画だ!となりますが、
ミステリーの皮を被ったクソ映画だと思って見ると最高のクソ映画だ!となります。

この映画の本質はラスト10分の痛快バトルアクションパートです。
それまでのすべての展開はバトルの前フリと思ってください。

 

あらすじ
事故死した旦那の遺体を故郷に葬ろうと、娘を連れ旦那の棺を乗せて飛行機に搭乗するジョディー・フォスター。
彼女は飛行機のエンジニアを仕事にしており、搭乗する飛行機も自分でデザインしたものです。
離陸後、仮眠をとって目覚めると娘の姿が見えない。
フライトアテンダントに聞いて回ったり、自分で捜索するも見つからない。
発狂したジョディー・フォスターは(本当にそんな感じになる)航空法をつまびらかに語り機長に責任を要求。乗客全員を着席させ機内の大捜索を開始します。
しかしどこを探しても見つからないまま時間が過ぎていく。
乗客は苛立ち、娘なんて本当に連れていたのか、と言い出す。乗客・フライトアテンダントともに娘を目撃していなかったのだ。
あげく、照会したところ娘は旦那と一緒に死んでいるはずだという。ジョディー・フォスターに突きつけられる遺体安置所からの書類。
しかし娘が死んでいたなどと信じられないジョディー・フォスターは機内の構造を熟知していることを利用し大暴れ。
ついには同乗する保安官に手錠をかけられてしまう。

そして、ここから黒幕のターン。
実はこの保安官はジョディー・フォスターが発狂して大暴れするように仕組んだ犯人で、
自分が機内に仕掛けた爆弾をジョディー・フォスターが仕掛けたことにして、機長に金の振り込みと最寄り空港への着陸を要求。
自分は保安官としてメッセンジャー役を務めるフリをしながら、全ての罪を何も知らないジョディー・フォスターになすりつけて飛行機を降りようとする。
しかし機長が降りる間際「お前のテロ行為は完全に大成功だおめでとう、いい加減娘がいなくなった芝居はやめろ」と言い放ったことから、自分が巻き込まれている状況すべてと真犯人を一瞬で把握。
とっさに状況に合わせたテロリストを演じて犯人の保安官を機内に閉じ込めます。
そして交渉を始めようとした保安官を背後から消火器で殴り倒して手錠をかけ拘束。仕掛けていた爆弾のスイッチを奪う。
共犯だったフライトアテンダントも「あなたも6歳の女の子を殺してお金を奪う気なの?」と同情と罪悪感を煽って一瞬の隙をつき顔面パンチ。
見事機内に隠されていた娘を見つけるも、そこには一緒に爆弾も。
手錠を銃で壊した保安官が追いつくまでの間に、娘と自分を機内の頑丈に出来た倉庫(自分デザインなので強度は把握済み)に隠れ、
保安官が爆弾のあたりに到着したタイミングでためらわず爆弾のスイッチをオン。

大爆発する飛行機の中から娘を抱いてさっそうと凱旋するジョディー・フォスター。まるで気分はアルマゲドン。エアロスミスが聞こえてきそう。
見たかクソ乗客にクソ機長ども!娘は居たぞ!お前ら全員バーカ!と言わんばかりに胸を張って娘と救急車に乗り去っていくジョディー・フォスターであった…。
完。

 

いやもう、本当すごい。

娘を探す過程でジョディー・フォスターは飛行機の配電盤を壊して緊急着陸体制に入らせたり、
居合わせたアラブ人を「お前が犯人か!」と掴みかかってテロリスト扱いしたりするのです(当時9.11でアラブ人の立場は繊細な位置にあった)。

当然、大暴れしたジョディー・フォスターは精神病と断じられ、乗客や乗務員から冷たい目で見られるのですが、
最後実在した娘を連れて乗客たちの前に現れたときの空気感が本当に最高。

「本当にいたのかよ…」「嘘だろ…」とざわつく乗客たち。
彼らがそう唖然としたところを見て満足したのか、ジョディー・フォスターは何も言わず去っていくのです。
飛行機を落としかけたりした謝罪は一切なし。アラブ人にも謝罪なし。
ただ「私は正しかった」とだけ信じて去っていくのです。

ジョディー・フォスター側は多分「お前らは私のことを疑ったし犯罪者扱いしたから、私のやらかしたこともチャラな」と思っていそう。
むしろ「娘は実在したんだが、お前ら私に謝罪はないの?ん?」って態度すら感じさせます。

乗客側も「マジかよ…」とどう動いて良いのかわからない感じ。
もうね、この空気感だけで2時間の映画を見た甲斐があったといえるレベル。

更に最高なのが、ジョディー・フォスター反撃のターン。
機内に犯人である保安官とふたりきりになった途端に消火器で頭をぶん殴る迷いのなさ。
相手と交渉のテーブルにつく気などさらさらありません。
娘を助けるために邪魔する奴は誰であろうとぶちのめすし、死んでもらっても全然構わないのです。
ここに現代の物語でなかなか見られないヒーロー性を見た。

彼女は飛行機の構造を完全に把握しているので、追ってくる犯人も華麗に撒きます。
地の利を得たとはこのことで、犯人は銃で武装した男なのですがジョディー・フォスターに追いつけません。
頭を殴られてふらふらなのも効いており、消火器の一撃がただのアクションでなくこの追いかけっこを有利に運ぶ演出の一つとして成立しています。

そして容赦のない爆弾スイッチオン。
自分のデザインした飛行機を容赦なくぶち壊して娘を救出するのです。
「動くな、爆弾のスイッチはこちらが握っているぞ」的な脅しは一切なし。何一つ言葉をかけずスイッチを押すのです。
その飛行機旦那の遺体が載ってるんですけどね。

総じて見えてくるのは、ジョディー・フォスターの娘への愛情と執着、犯人への容赦の無さ。
これは娘を助けるために母が周囲の冷たい目線や誘拐犯と戦うアクションストーリーなのです。

うろんなヒューマニズムに踊らされることなく、娘の敵であるのなら殺すことすら厭わない。
この冷徹なまでのまっすぐな行動規範がもうひたすらにカッコいい!
悪党にも事情があるんじゃ、とか無意味に犯人を見逃す、とかそういうのに食傷気味な人にこそ見て欲しい。

 

批判点
とは言え、本作は世間的にはクソ映画扱いを受けています。
それは前述のとおり、本作がミステリーのように宣伝されていたからです。

犯人の計画は
飛行機のエンジニアを務める子持ちの女を見つけて旦那を殺す
女は旦那を故郷に埋葬するため棺を乗せて飛行機にのるはずだ
・X線検査を受けない棺に爆弾を仕込む
・機内で娘を攫う
娘はきっと乗客にもフライトアテンダントからも一切目撃証言が上がらないし監視カメラにも映像が残らない
乗客名簿を改ざん
・娘の死亡診断書を偽造、それがどうやってか飛行中の機内に届く
・発狂した女をテロリストにしたてあげ、メッセンジャーのふりをして機長に緊急着陸を指示
・自分で用意した口座に大金を振り込ませる
・発狂した女は乗客と乗員を機内から追い出し娘を探し始めるので、自分もそこで降りる
・テロリストとなった女を残して自分は颯爽と去る
という計画。
不確定要素が多すぎる。

でもね、そんなことはどうでもいいの。
仮にこの犯人の計画が完璧で100%成功する手順に仕上がっていたとしても、この映画は別に面白くならない。
面白いのは覚醒したジョディー・フォスターが犯人をボコボコにして娘を助け、爆発する飛行機をバックに歩いてくるシーンなのだから。

 

というわけで、見方によって評価が変わるという点を理解して頂けたでしょうか。

クレイジー母さん大暴れを楽しむ映画として見てください。
絶対楽しいから。

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