やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 10巻(12月17日追記)

はやはち。

ブログトップがこの状態で3週間放置した


お久しぶりです。
何度か読み返して、やっと感想書ける感じになりましたので
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」10巻の感想を書こうと思います。

当然ですがネタバレ注意です。

んで、なんで感想がこんなに遅れたかというと、単純に濃厚なはやはち(葉山×八幡)におぼれていたからでした。
いやもう、本当。これな。
海老名さんが一連のくだり見ていたら鼻血間違いなしってレベル。

というわけで、今回は八幡が葉山隼人という人間に深く踏み込んでいくエピソードでした。

10巻全体としては、割とあっさりめというか大波乱のない構成です。
表紙の恐ろしさでビクビクしてると拍子抜けするかもしれない。

まぁ不穏なフラグはいくつか立ってるし、嵐の前の静けさって感じもするけど…。

原作者の渡航先生は6巻で「物語の半分」と語っていて、
かつこれまでも概ね3巻でストーリーが一段落する構成で来ているので、
おおよそのファンの間では12巻で完結ではないか、という見方が多いんですね。
ので、このあと2冊かけて波乱の展開になるのでは、その前フリと下準備の巻では、という印象のある話です。

葉山と八幡の絡みはもちろんですが、
雪ノ下母の登場だったり、具体的に進級(小町は進学)が見えてきたり、
登場人物たちの関係が少しずつ進展していたり、と見所の多い1冊でした。

今回色々と多岐にわたってキャラクター描写が配置されていたので、
久しぶりにキャラクターごとに分けて感想を書いていこうと思います。

葉山隼人
なんといっても今回の主役。
葉山の心を動かすことが出来るのはやっぱり八幡なんだなあ…と読んでいてニヤニヤしました。

何よりも、何よりも今回ドキドキさせられたのが、葉山がなぜ八幡を持ち上げるのか。
その答え。

葉山は自分が周りの期待に動かされていることを自覚していて、それを煩わしいと思っているけれど、
かといって自暴自棄になったり、グレてその期待を払いのけようとしたりはしない。
周りの期待に動かされて鍛え上げた自分を嫌いではない。
多分、それなり以上の自尊心があるでしょう。

そんな自分が、八幡に劣っていると感じる。

自分には到底出せない答えをほいと出してしまう八幡。
自分には解決できない問題を、解決しなくてもクリアーにしてしまう八幡。

ハタから見たら、比べるべくもない対比なんでしょう葉山と八幡は。
しかし当事者にとってのみ、葉山にとってのみ八幡は自分と並び立てる存在と感じていて、かつそうあって欲しかった。

だからこそ8巻で、自分とのデートを取り付けた相手(折本)に
八幡が今どんな人付き合いをしていて、それは立派なことなんだって見せようとしたんでしょう。
あれは「葉山が良い奴だから八幡を救おうとした」んじゃなくて、
「自分以外の誰かにとっての八幡の格を上げることで自分を救いたかった」んですね。

葉山の「八幡上げ」行為はこれまでにも少なからずありました。
また、八幡を下げようとする行為に対しても、さり気なく方向性を変えたり、明確に拒絶したり。

上記した折本の件が一番わかり易いですね。

「比企谷は、君たちが思っている程度の奴じゃない」
「君たちよりずっと素敵な子たちと親しくしている」
「君は、自分の価値を正しく知るべきだ」

修学旅行の一件で汚いものを全部八幡に被せてしまった葉山のフォロー(のつもり)。
10巻を読んでから読み返すと、葉山の心の動きが順序立てて読み取れるので再読おすすめです。

多分今回の一件で、もう葉山は「八幡に負けていると感じる自分が嫌だ」という状況に対して、
「八幡をどうこうしよう」ではなく「俺が勝とう」と思えるようになったのかな。

葉山と八幡はもっとギトギトした、多分雪ノ下姉妹のどっちかとの恋慕が絡む話みたいなことになると思っていたのですが、結果思っていたよりもずっと爽やかで綺麗で少年漫画みたいな昇華を迎えました。
海老名さん今がチャンス。

比企谷八幡
7~9巻で獲得した成長ぶりを見せつけるような頑張りぶりでした!
今回何よりのポイントは、ずっと「かわいいかわいいするだけの対象」だったさいちゃんを頼ったことでしょう。
9巻でフラグ自体は立ってましたが、ついに自分から手伝いを頼むようになって!これはもうずっとさいちゃんが待ち望んでいた男同士の関係(非ホモ)ってやつですね!

肝心の葉山との解決も、誰かや自分を犠牲にするのでないやり方。
「答えを教えてもらえない」から「俺の望む答えにお前が変えろ」というユニークな論法はとても八幡らしく、かつ汚くない(ちょっとゲスい)やり方でした。

八幡も今回の話で葉山という男をきちんと知りましたし、
ついでに言うと戸部の心情も予想外に深く知りましたし、
もう彼らの関係を欺瞞なんて呼ぶことはないでしょう。
大岡と大和は知らん。

そしてもう一つ欠かせないのが、いろはす登場以降目立ち始めた八幡のお兄ちゃんスキル!
いろはすのお手伝いするたびにヒロイン二人が怖い顔してるんですけどコレ。
今回は小町がそのスキルにいっぱい助けられてて、
この兄弟助けて助けられてが上手く回ってんなあと思いました。
いいよねこういう兄妹像。

いろはすは明らかに八幡のこと意識してるけど、小町と同じ扱いされてる限りヒロイン昇格はないよね…。

戸塚彩加
よかった!おめでとう!
もうまさにそんな感じだ。

八幡とは友達同士なんだけど、どうにも大事にされすぎてるというか、
深いところまで踏み込んできてくれないことに壁を感じていた模様。
ギャルゲーのヒロインみたいな扱いされてきたのが、ここに来て伏線に!

今回きちんと話しあって、ついに「自分を巻き込んでくれた」わけで。
長らくサブヒロインみたいな立ち位置でしたが、もうメイン級と言っていいよね。

戸部
下の名前なんだっけ…。

今回ひとつすげえグッと来るセリフが彼の口から飛び出しました。
もしかしてトベハヤ来るんじゃないの…これ来たら海老名さんも食いつくんじゃないの…。

友達同士なはずなんだけど、そこにうっすらと見えない格差のようなものを感じてしまうというのがすごい胸キュン。

あと八幡はもう戸部っちに対しては全く壁感じてないよね。

由比ヶ浜結衣
今回ちょっと出番少なかった気がする…。
というか、ヒロインポイントをだいぶ雪ノ下に持って行かれた気がする。

八幡自身は学祭でした「約束」を忘れず覚えてて、常に意識してるんだけど、
初詣だったり保健室だったりで肝心なところに居合わせられない感じが…。

まぁ今回は男同士の話だったので、この人に限らず女子は出番少なめでしたかね。
扱いが悪いってわけじゃないよ。

三浦優美子
通称あーしさん。

ちょっと距離感のあるポジションでしたが、今回ついに奉仕部の依頼人に。
表面的には突っ張ってるけど、皮を剥ぐと途端に女の子というのがはっきり露呈しました。
なんだかんだ、泣くシーンそのものはこれまでも書かれてなかった…よね?

意外だったのが、ここに来て雪ノ下と互いを認め合ったこと。
夏合宿のときにも衝突はありましたが、まさかここまで来るとは。
それほど描写の割かれるポイントだと思ってませんでした。
まぁ2年女子2大巨頭ではあるんですが。

そして、これまでろくに視界に収まってなかった八幡をちょっと認めてくれたのが、ちょっと嬉しいですね。
奉仕部という場所は間違いなく八幡という存在の枠を広げていってくれてるね。

おそらく作中一番、素直で一途な恋をしている人。
あの一言が奉仕部の中に波紋を広げそう。

雪ノ下陽乃
相変わらずの暗躍ぶりですが、今回はそこまで暴れてなかった…かな。
相変わらず自由奔放で他人を巻き込みますが。

今回ひとつ大きな発言をしましたが、それは以下の項目で。

雪ノ下雪乃
今回はかなりヒロインっぽかった!
特に最後、転んで擦りむいた八幡の手当をするシーンとか!

個人的には八幡のラブの相手はガハマさんが似合いだと思ってるんですが、こんなシーン見せられると揺らいでくるわ。

しかしそんな華やかで楽しいシーンの影で、多分次回以降花開くであろう不穏の種があっちこっちに。

まず雪ノ下母。もう存在そのものが怖い。
だってあの陽乃さんの母親だぜ。
今回はまだ顔見せだけだったですが、再登場するときには奉仕部がばらばらになるきっかけくらいブチこんで来そう。

そして最大のポイントである、今巻最後の八幡と陽乃さんの会話。

「そう、あれは信頼とかじゃないの。…もっとひどい何か」

八幡に心を開いたように見えた雪ノ下を評して、陽乃さんが語った言葉。
打ち上げの席で葉山が八幡に語った言葉。
そのどちらもが同じ趣旨のことを八幡に伝えています。

それはおそらく、雪ノ下の「依存」体質。

セリフの端々で陽乃さんが伝えていますけど、昔の雪ノ下はどうやら人に頼り、任せてしまう体質だった様子。
姉がなんでも出来てしまう人だったからなんでしょうかね。
あるいは、良い家柄だっただけに誰かが何でもしてくれたとかでしょうか。

「雪乃ちゃんは何もしなくていいんだもの。いつも誰かがやってくれるんだもんね?」
とは8巻の陽乃さんの言。
これと、葉山・雪ノ下が語っていた過去のトラブル。この2つが繋がるんでしょうか。
何か問題が起きて、その解決を葉山にまかせてしまった結果の破綻があったんでしょう。

誰かに頼ってしまう雪ノ下、というのはちょっと想像しづらいですが、
なぜ今のようになったかと言えば多分、一人でいるしか無かったから。
八幡が語っているように、ぼっちは自分の目の前に起きたことを全て自分一人で片付けなくてはならない。
だから、孤独になった雪ノ下は、なんでも一人でできるようになるしかなかった。

これまでの経過を経て、雪ノ下は八幡やガハマさんに頼れるようになりました。
心を開いたと言えるでしょう。
八幡もガハマさんもそれを受け入れている。

しかしその一方で、雪ノ下の昔を知る二人はほぼ同じタイミングで口にする。

「もう陽乃さんの影を追っていないように見える。…けど、それだけでしかない」
「それを本物とは呼ばない…君の言葉だったよね?」

誰だって一人ぼっちで居るのは辛い。
まして雪ノ下には、小町のようなセーフティゾーンもない。
なんだかんだ一般家庭の八幡と違って、長いこと孤高を貫くしかなかった雪ノ下の精神は、多分そんなに頑丈にはできてない。

八幡ってなんだかんだで図太いんですよね。
自分に自己弁護を許すか否かの違いだと思うんですが。

葉山のセリフは暗に、雪ノ下の追う影が陽乃さんから八幡に切り替わっただけだということを伝えています。
そして陽乃さんはそんな関係を、八幡たちが望んだものとは違うと切り捨てています。

次巻以降、その辺が焦点になってくるのでしょう。

人間失格
今回の俺ガイルには、珍しく明確な謎かけがあります。
人間失格を読んでのモノローグ。それが誰のものかはわからない。

第一の手記からは、なんとなく文章から自罰傾向が読んで取れて、
その辺から葉山なのかなーと思ったりしています。
他人の期待するとおりの生き方をさせられてきた自分を、当時の葉山は肯定的には見れなかったと思う。

第二の手記の
「自分と類似する点があるからこそ、その違いが許せない」
「邪悪に人一倍敏感なあの人なら、自分を見つけてくれるかもしれない」
あたりはとてもハヤハチ。
というかここは間違いない…と思うんだけど、ミスリードの可能性もあるか。
なんというか、この作品自罰的な奴多いんだよね…。

第三の手記は、ここだけなんか八幡っぽい気がする。
一度見えた答えに納得せず、それが真実であるのかどうかを疑う姿勢。
今まで見てきた八幡の姿に重なります。

まぁ今巻だけで明確にこれが答えだ!って見える感じではないし、
今後話が進展した時に、戻ってきてこれをまた読もうと思います。

それはそうとこれ「文学少女」シリーズっぽいよね。

というわけでやはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10巻の感想でした。
更新がだいぶ遅くなってしまいました…。
ハヤハチに溺れてたのも本当ですが、情報量が多くて上手くまとめられなかったのもあります。

特に俺ガイルは巻を跨ぐ伏線とかフラグが多いしね。
多分まだ見落としているものもいっぱいあるのでしょう。
色んな人の意見を見て「あぁ、実はこうだったのかも」と思うところも出てきますし。

今更ながら、読み応えのあるタイトルだなあと思います。


最後だいぶ重くなったので、気晴らしに10巻の好きなシーン。
雪ノ下家は比企谷家のギャグに弱すぎる…。
まぁ「仲の良い兄妹」が羨ましいんだとは思いますが。

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