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機動戦士ガンダムAGE 最終話「長き旅の終わり」

2012/09/23

ついに最終回を迎えましたね、ガンダムAGE。

ストーリー構成、展開に納得してる・満足してる人は居ないでしょうし、私も今回の記事ではほぼ愚痴のみとなります。
褒めることはほぼありませんでしたので、予めご了解ください。読まなくてもいいです。
不満を書き散らしたいだけの記事です。

まずなにより、フリットの心変わりを誘発したユリンとの会話なんですけど、

あれイゼルカントがゼハートにやったみたいに
キオがXラウンダーの共鳴能力を使ってフリットを洗脳したみたいに見えませんでしたか?

Xラウンダーが実際どんなものなのか作中の描写ではわかりませんが、ゼハートが洗脳されたときは、イゼルカントの持つエデンのイメージが流れこんで、その後ゼハートの思考がイゼルカントに都合のいいように修正されましたよね。
直前まで「貴方は狂っている!」とまで言っていたゼハートも、エデンフラッシュを食らって即「光にならなります!」と宗旨替えをしました。

今回のキオとフリットも同じように、キオからのXラウンダー電波(何それ)がフリットに飛び、その後フリットの思考を書き換えるにふさわしい人物=ユリンの言葉として、これ以上戦争はしなくていいのよ、とフリットを諭します。
このときユリンが語ったことは、そのままキオがフリットに伝えたいことそのものです。

キオからの「戦争をやめるべき」というメッセージを、Xラウンダー能力を介してフリットの脳に届けた結果、フリットに一番効果的なユリンの姿かたちを為してフリットを洗脳した、と考えると割と納得がいくのです。

フリットは常にヴェイガンの殲滅を標榜し、実際そのとおりにしてきました。
ラ・グラミス攻防戦ではヴェイガンの戦法に大事な仲間を撃たれ、心から憤慨します。
そしてついにはプラズマダイバーミサイル(一回も使われたことはないけどヴェイガンも連邦も知ってて禁じ手になっている謎の兵器)を持ち出します。

ここまでテンションの上がりきったフリットが、そう簡単に心変わりするでしょうか?
彼は生まれてからあの戦場にたどり着くまで、ずっとヴェイガンと戦い続けています。
60年以上に渡る復讐心を止めるとしたら、それは戦いへの決意を固めたユリンの存在。

あのイメージ映像は、キオからの電波がフリットの脳内で、ユリンの体を為してフリットに見せた洗脳の過程と思うと、しかしその心変わりもやむを得ないかと思うのです。

この解釈は割と自分の中でアリだなと思っているので真っ先に書いた次第です。
あとは本気でただの愚痴です。

まぁこの作品の何が問題かってシリーズ構成とメインライターなのはAGEを見たアニメオタクなら全員がわかっていると思います。
個人的にイナズマイレブンは好きで最後まで見ていたので、日野脚本がなんたるかは知ったつもりだったのですが、キッズアニメとしてのデフォルメが入るイナズマイレブンと、ある程度はリアルなドラマを描かねばならないガンダムでこうも違うとは、自分の見通しが甘かったと言わざるを得ません。

まずあの世界の住人は、なんで自分の意思をアピールしないんでしょうね。
これは日野脚本の抱える慢性的な問題点なんですけど、
世界を動かすのは主人公の特権、名も無き市民の存在はあって無いようなもの
というのがあります。

例えばイナズマイレブンの2期では、宇宙からの侵略者がサッカーで襲いかかってきます。
主人公の円堂守はじめイナズマキャラバンの仲間たちはサッカーで彼らを倒すため日本中を旅するのですが、その間大人は何をしてるんだよ?!

このストーリー展開が始まって終わるまで、円堂たち以外は誰も宇宙人の存在に対してアプローチをかけません。
唯一味方になるキャラが率いるサッカーチームには大人が居ますが、彼らも出番が終わると消えてその後出てこなくなります。
そして日本を旅して最後に宇宙人を倒すまで、ついぞ円堂たち以外に闘う選手は一人も出て来ませんでした。

イナズマイレブン自体はそういったどこか斜め上の方向にかっ飛んでいく展開が面白いアニメでもあります。
ので、そこは正直見る上で問題点とは思わないんですが、ガンダム、というか戦争モノではそうはいきません。

連邦の人間でヴェイガンを憎んでる描写が明確に入ったのって、フリットだけですよね?
一般の軍人たちが何を思ってあの戦場に立っているのかとか、戦争について肯定的な立場なのか否定的な立場なのかとか、家族が傷つけられた人とか、住む場所を奪われた人とか、そういうのが一切出てこないんですよね。

そういったバックボーンが一切語られないので、フリットの「全MSはルナベースを守れ!」という願いが叫ばれたとき、何も考えずに動く人形にしか見えなくなってしまう。
彼らは「ヴェイガンも人間なら助けてやろう」とか「これが終わったらちゃんと決着をつけてやる」とかそういうセリフは一切吐きません。黙っていうことを聞いてくれます。

地上では4割の土地がヴェイガンに奪われたそうですし、キオ編1話でもヴェイガンは市街地を焼き討ちし、大勢の人間が殺されています。
しかしフリットたちが和平しよう!といえば誰も文句は言わず即和平に繋がり、ガンダム記念館です。

地球を侵略しようとやってきたら地球人に救われたヴェイガンが考えを改めるのは、まぁ自然な流れと言えるかも知れません。
ルゥたちのセリフにあったように、今火星圏で生きる彼らは地球人を知りませんから、イメージで「こういう悪い奴らだ」と思ってたら、助けてもらってしまった。
普通の文化的な人間なら感謝と謝罪をし、自分たちの抱えていたイメージと現実の違いを明るみに出そうとします。
そういった接触→対話→共存という流れは劇場版ガンダム00で明快に語られてましたね。

しかし地球人たちは、60年にわたってヴェイガンから謂れ無き暴力を振るわれてきました。
その結果コロニーが落ちるなど、大変な被害を受け、大勢が死んでいます。
家族を失くした人も、恋人を失くした人も大勢いるでしょう。
しかしヴェイガンを憎む存在が、フリット以外に出てこないのです。
果たして彼らは本当に人間なんでしょうか?

あとこの戦争どう考えても60年戦争だよね。

次に不快だったのが3部主人公であるキオです。
最初は正直割と面白いタイプの主人公だと思っていました。
幼い頃から教育をされたがゆえに、相手を人間と思わないで戦争する少年。
ゲーム気分でハイスコアを狙うようにヴェイガンを落としてく様は新しい展開を期待させました。

ところがどうだ。
火星から帰ってきてからのクズ少年っぷりは。

不殺を訴えるのはまあいいよ。
ヴェイガンの市民たちが苦しい生活してるのは本当だし、彼らに罪はないし。

悪いのはイゼルカントだけです。

私利私欲で戦争行為を始め、助長させてる最大のクズ人間。
あとはその指示に従ってる軍人たちを倒せば、2つの人類は交渉のテーブルにつくことができます。
(イゼルカントの目的は戦っている状態そのものを維持することなので、その頂点がなくなれば連邦からの和平交渉に対して交渉の余地を得ます)

「倒すべき敵」という大事な前提をアピールした後に、なんでキオは軍人ばかり助けようとしますか。
お前が倒すべきはそいつらだろ!
そいつらを倒して戦争を終わらせればルゥみたいな被害者を減らせるんだろ!

最悪軍人も全員生かして戦争を終わらせたいならそれでもいいんですが、それを行うにキオは全く力が足りていません。
かつてのキラ・ヤマトは仲間との力をあわせて、本当に戦場を掌握しようとします。
実際ミーティア搭載のフリーダムは、個人の意思で戦場を塗り替えるパワーを持っていました。
(コズミック・イラ世界はAGE世界以上に末期なので、相当力づくでの戦争終結でしたが)

しかしキオは誰かに助力を乞うでもなく、
ヴェイガンの苦しい生活を連邦にアピールするでもなく、
モウヤメヨウヨ…と呟きながら一人敵MSの首を落とすのです。
お前は本当に主人公か。

ラ・グラミス攻防戦出撃前には、その戦い方の危険性をセリック隊長に諌められますが、なんとここで、叱られる間ただ睨みつけるだけという主人公どころかアニメのキャラクターにあるまじき最低のリアクションをします。
一体どんな意図が脚本にあったのだろう。

その後ラ・グラミス攻防戦でも同じように首だけ落とす中途半端な戦い方を続け、ついにはヴェイガンの戦略でクランシェが1機落とされ、セリック隊長が死に、ジョナサンとオブライトさんが討ち死にしてもキオは何もしません。
殺さないことを訴え続けた結果、味方のMSが4機落とされるという。

ましてセリック隊長の死に際の通信では、キオ一人通信からハブられる始末。
ディーヴァクルーの皆は涙の別れをするのですが、キオは一人だけ通信回線を開いてもらえず、
死んでからそれに気付くという。

その後なんとなく出てきたディーンとの戦闘でも、結局ディーンを助けることが出来ず死なせます。
キオは自分の周りにいる、きちんと話せば味方になってくれたであろう人全員を助けられませんでした。

これが、綺麗事を吐いても戦場では無力な一少年でしかないことをアピールするためならわかるのですが、全くそんなことはありませんでした。
日野氏はキオを通して何をしたかったのか、本気でわかりません。

アセムについては特に思うことはありません。
家族ないがしろにした分は、戦後に父親やって返してください。

フリットは本当どうしたものか。
相応に加害者でもあると思うんですけど、
生まれ故郷を焼かれ、
育ちの故郷を焼かれ、
老後の住まいを焼かれた彼には同情せざるを得ないというのが、個人的な感情です。

フリットはイゼルカントのわがままから始まった戦争で、人生の全てを戦いに捧げました。
その結果、ヴェイガン全員を殲滅するか、というところまでたどり着いた戦士だと思います。

イゼルカントがほざいていた「死にかけても死にかけても生き抜いた奴は戦いを選ばない優良種」に
敵を殲滅することを選んだフリットが当てはまっている、というのが最大の皮肉でしょうか。

結局イゼルカントの言うことは妄言甚だしいもので、作中フリットの存在が全てを否定しています。

そういう意味では、フリットはイゼルカントに一矢報いたのかなあ、と思います。
出来れば直接頭蓋を叩き割るくらいの反撃をして欲しかったけど。
なんであいつ温かいベッドの上で死んでんだよ。

イゼルカントについては本当死ねとしか言えません。
私利私欲で数百年戦争のなかった人類に争いを持ち込み、それを60年維持した怪物です。
ガンダムの登場人物史上最高のクズだと思います。
こいつを幸せそうな末路に描いたことで、本気で日野氏が嫌いになりました。
ガンダムが終わっても、イナズマイレブンGOには絶対に帰って来ないでくださいね。

見てて感じた毒は大体吐き終わった感じでしょうかね。
だいぶすっきりしました。
二度とこんなアニメがテレビに流れないことを祈るばかりです。

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