新着記事

その他の 家庭用ゲームの記事

LOVE・デスティネーション

2020/04/05

このブログでは初だと思うんですが、今日はエロゲーのレビューです。
と言ってもこのブログはR指定ではないので、触れる内容は一般向けに収まる範囲です。

なぜ急にエロゲのレビューをしたくなったかというと、話に不満があったからなのですが。
キャラクターは最高なのに、シナリオに厳しい難点があったのでそこを語りたい。もちろんいいところも語りたい。

せっかくなのでよくあるエロゲーレビュー形式にのっとって、各項目でレビューをしていきます。

システム

一般的なノベルゲームに必要な要素は一通り備えてあります。
既読スキップやクリックでは解除されないオート再生、前の選択肢に戻る機能など。
これ無いのかよって不満はありませんでした。

珍しく、かつグッドだったのは選択肢の答えが見える機能。
各選択肢に、誰の好感度が上がるか、あるいはプラスマイナスなしか、あるいはバッド直行かがアイコンでわかるようになっています(オンオフ可能)。
個人的にエロゲの選択肢っていうのは、ルート分岐の条件でしかないと思っているので、事前に正解がわかるのはありがたいところ。

またゲーム開始時に選べる「ルート固定」モードでは、選択肢さえカットして一本道でシナリオを読むことが可能。
実際に試してはいないけど、ルート固定+オートモードを使えばエンディングまで操作自体不要らしい。
コレも中々面白い試みだと思う。

CG回想、シーン回想、音楽視聴機能も完備。
そこから気に入ったものを「お気に入り」にして別画面にまとめる機能があるのですが、正直使い所はなかったです。
別途まとめないといけないほど細かく数が多いわけでもないので。

キャラクター

メインヒロインは7人。
しかしルートは4つしかなく、3つのルートではヒロイン二人をまとめて、ある1つのルートではヒロイン一人だけを掘り下げる内容。
ここはかなりクセの強い仕様で、本命の一人とイチャイチャするシーンが欲しい人にはこのゲームは向かないと思う。
まぁ公式に記載があるだけ良心的なのかも。

黛 眞優梨


主人公の幼馴染で従姉妹。
いわゆる「アンタってやつは昔っからもう」と文句を言いつつ気にかけてくれるタイプ。
ちゃんと「ウザい」ところまでは行かないようシナリオでも配慮されていたと思う。
すねたときの声が可愛い。

ヒロインと遠慮のない関係を楽しみたい人向け。
個人的にはこのゲームでトップ3に入るくらいには好みだった。
相思相愛になると急に甘えてくるので、そういうのが好きな人には刺さると思う。

椹木とセットで攻略することになる。

ネタバレ

特にひねった要素やどんでん返しは無し。物語序盤から最後まで距離感が変わらない唯一のヒロイン。
シナリオにも驚く要素はなく、強いて言うならレズも行ける口だったことくらいか。
主人公と眞優梨がくっついたあとの椹木を思うとあまりに可哀想なので、個人的にこの展開は悪くなかった。

正直言うとゲーム冒頭に出てきた結婚直前の姿というか、彼女の母である眞由美さんくらいのロングヘアのほうが好みだった。叔母エンドがあっても良かったんじゃない?

エロシーンのうち、眞優梨ソロで相手するのは3回、椹木との3Pが3回。
もうちょい彼女個人との関係を深めるパートが欲しかった。幼馴染枠なので「これから知っていく」要素がなかったのかもしれないが。
序盤の共通パートで自慰シーンがあっただけ優遇なのかもしれない。

椹木 咲麗子


咲麗子と書いてさくらこと読む。
男嫌いで眞優梨(のみ)に一途なレズヒロイン。
そんな設定でありながらシナリオの関係上、お硬い高嶺の花を落とすストーリーにはなってないので、そういうのが好きな人は注意してほしい。詳しくはネタバレ内に記載。

声優の問題なんだろうけど滑舌が異様なほど悪く、この声を許容できるかは人によってかなり割れると思う。
彼女のビジュアルにぐっと来たら、買う前に公式で試聴してみることを進める。

当然眞優梨と3人でのルートになる。

ネタバレ

いわゆるクレイジーサイコレズ枠だけど、眞優梨に迷惑をかけたくないという気持ちは一貫していたので嫌いにはなれない。

エロゲのヒロイン枠にいる時点で男とそういう関係になるのは決まっているのに、にしては攻めた設定だと思ったけど、主人公との関係が序盤と終盤で変わっていくという点に関しては、眞優梨よりも物語があったと言える。

ただこの女、驚くことに主人公との本番シーンが一切ない。マックスで顔面騎乗までという謎のガードぶりで、処女喪失シーンさえない。
彼女が眞優梨とイチャついているところを見ながら、眞優梨に相手してもらうか顔面騎乗されて愛撫するかしかないという。

つまりゲーム中では最後まで、椹木にとって主人公は「眞優梨と一緒にいるために受け入れないといけない相手」であって、愛情を格別に抱く特別な男性とはなっていないのだ(その第一歩目、二歩目くらいは見れる)。
その後色んな大事なものをすっとばして最後妊娠・結婚しているという着地点は正直ふざけんなと思う。
彼女の男嫌いの(作中でも意図して表現された薄っぺらい)理由、眞優梨への感情、それらを経て主人公を見る目が徐々に変わってきたかと思えば、肝心の着地点だけをスキップして終わるのは最悪だった。

劇中常に悩み、葛藤して奇行に走ったりもするヒロインが答えを出すシーンだけやらないとか、そんなふざけた話ある?
キャラクターとしては好きになっていたのに、シナリオの方に裏切られた。

乙名 詩那


名門校が舞台なのに何故かいる素行不良のギャル枠。
主人公は何故か上から目線で「言っても大した不良ではない」と断ずるが、ブラむき出しで学校の制服着て外歩いてる奴は不良オブ不良だと思う。

テンション低めな普段の声がかわいい。魅力の7割は声優の力で支えている。

双子の妹である莉那とセットで攻略していくヒロイン。

乙名 莉那


姉とは対象的におとなしくて自己主張が控えめなヒロイン。
彼女だけ別のクラスだが、このゲームは学校の行事系イベントが全くないので問題ない。それはそれで別の問題だが。

シナリオ上難のある立場なので、彼女目当てでの購入はおすすめしない。詳しくはネタバレで。

双子の姉である詩那とセットで攻略していくヒロイン。

ネタバレ

公式でラブコメを自称するタイトルでやっていいシナリオじゃない。
黒幕によって性奴隷に仕立て上げられ、処女以外のすべてを男に汚された双子の姉妹を相手にどうラブコメしろってんだ。

話の重さゆえのボリューム感もあって、二人とイチャイチャできる時間はほとんどない。
エロシーンこそあるが、バックボーンを思うと重すぎてそういう気分にならない。

特に莉那は人殺しという、シナリオ上きっつい役目を背負わされているので、彼女が好みでラブコメを自称したこのゲームを買った人は、怒りの余りディスク割っててもおかしくない。
結果的に主人公は死ななかったわけだけど、当の莉那はメンタルぶっ壊れてしまうわけだし、詩那はそのフォローで日々神経をすり減らしているし、乙名姉妹のルートは「二人の背負わされた悲惨な境遇」を攻略するルートであって「乙名姉妹を攻略するルート」ではなかった。

この一個人、しかもただの高校生にどうにか出来るはずがない内容をどうまとめ上げるのか、ということに期待すると裏切られるので期待しないほうが良い。
なんだあのシナリオ。このゲーム、誰がやっても全ルート中最低評価は乙名姉妹ルートになると思う。
詳しくは主人公の欄で。

神尾 花梨


陰キャ系目隠れヒロイン。
ビジュアルを見て感じたとおりのキャラクター。
それ以上に言うことがない。もうちょっと広げられたキャラだと思う。完全にサブキャラ。

瑞希とセットで攻略することになる。

ネタバレ

これもまたきっつい設定持ちで、瑞希と悲しい連帯を抱えたセックス依存症みたいな子。
乙名姉妹同様に神尾さん個人を掘り下げる要素はほとんどなく、悪い意味で序盤から最後まで彼女個人への印象が変わることがない。
境遇以外に、彼女がどんな人間なのかほとんどわからないままルートが終わってしまう。

そのせいで大した感想も浮かんでこない。主人公は神尾さんと関係を深めていないと言っていいレベル。

陵 瑞希


名字はみささぎと読む。
未だにエロゲ界では珍しい「男の娘」ヒロイン。
ボーイッシュでない女の子だと明示するためか、キャラ紹介文でちんこの存在を強調してくる念の入れよう。

そのビジュアルから、「俺」という一人称から、いたずらっ気のある声から、何もかもが好みだった。この子のためにブランド処女作のフルプライスという、何一つ安心できないタイトルを発売初日に買ったほどである。

「男友達」という立場から、ゲーム内でも出番がめちゃくちゃ多く主人公の良き相談役。
多分全ヒロインで一番主人公と一緒にいるシーンが多い。はず。同じ家に住む眞優梨より二人きりのシーンが多い。

ただ一つ、大きな裏切りがあった。詳しくはネタバレで。

神尾さんと共通ルート。

ネタバレ

ふたなりはねーだろふたなりはよう!
こっちは男の娘って設定に信頼を置いてこのゲームを買ったんだよ!!
キャラ紹介ページじゃわざわざアイコンの背景を男である主人公同様青(女の子はピンクになっている)にまでしているくせに!!!
まぁふたなりはふたなりで好きなんですけどね。

ただもうこのブランドのゲームを発売日に買うことは絶対にない。
このゲームを最後にブランドが潰れても「だろうな」で終わるくらいの裏切り。

シナリオはやはりラブコメでやるには異様なほど重い。
特殊な血筋ゆえのふたなり、その血筋が背負わされる立場、将来への悲観など山盛りで、乙名姉妹ルート同様一介の高校生にどうにか出来る内容ではない。
のになんとかなってしまうところまで乙名姉妹ルートと共通。シナリオへの評価は下から二番目かな。

それでも瑞希自体はめちゃくちゃ可愛くて、男友達(女だったのだが)という立場を利用して常に主人公のそばにいて力を貸してくれたりするし、逆に彼(彼女だったのだが)の悪癖をいい意味で見逃してあげる主人公との関係性は良かった。
キャラクターだけ拾って別の人にふつうのラブコメ作り直してほしい。

アイ


メインビジュアルの真ん中で、公式キャラ紹介の一番上にいながら、一番謎が多くてルートのトゥルー感も強いくせに一周目から攻略できるヒロイン。
彼女だけソロルートになる。

中盤の展開でなるほど、だからソロルートなのかと思ったが、結果的には特別扱いされる理由のよくわからないヒロインに収まった感じがある。
それでも個人的には2番目に可愛かった。瑞希、アイ、眞優梨の順である。
特に主人公のことを「キミ」と呼んでくれるのがツボった。エロゲとはかくも些細な理由で評価が動くのである。

ネタバレ

重い内容ではあったけど、ラブコメ6シリアス4でギリギリラブコメの枠に収まったと思う。
正体がわかったときには20年前の葉鍵ゲーかオメーはと思ったものだが、時間が経った今逆に新鮮なのかもしれない。たい焼き食べるシーンがなくて良かった。

各ルートをやっていくと黒幕の存在に辟易していると思うが、アイルートではアイの境遇がほぼ自爆であって黒幕のせいではない、というだけでちょっとマシな気分だった。
話のキモはアイをどうにかしてあげたいという一点に集約されていて、最終的な要点も二人の気持ち(と彼女の体)だけが肝心だったのが大きい。
このルートでは極端な話、主人公があの街を一度離れれば、黒幕を倒さなくても(例の奇跡さえ起これば)なんとかなってそうなのがよかった。
それくらいあの黒幕と、それをやりこめる主人公の展開がクソだったというのもあるが。

眞優梨を乗っ取って出てきたときは、なるほどそういう展開かと期待した(憑依モノ大好き)のだが、エロシーンがあったのは眞優梨と椹木だけだった…。

最後巨乳化したのは賛否あると思うが、巨乳CGは公式のギャラリーで公開しているのでギリギリセーフ。
むしろ大人になったアイといちゃつくシーンをやっておきながら、その状態でのエロシーンは無いのが最低の裏切りだった。
アイ自身のエロシーンより憑依してちょっかいかけてきたシーンの方が数が多いじゃねーか。霊体に触れないはまだしも、脱げないって設定はいらなかっただろ。

主人公

実年齢は多分30を越えており、交通事故で死んだのをきっかけに学生時代へ精神だけタイムスリップしてきた主人公。
死ぬ前の人生では社会の底辺を味わっており、(心の)若さを失った対価に妙なかっこつけをやめ、二度目の人生では能動的に女の子と距離を縮めようと努力する。

ネタバレ

これはキャラクターの責任ではなくてライターの責任だと思うんだけど、とにかく卑屈で悲観的。


地の文になると途端に女尊男卑社会への恨み言と「上級国民」というクッサい言葉を何度も言うのが本当にキツい。

これには一応理由があって、主人公が一度死ぬ前の日本は荒廃しきっており、電車に乗るのにもパスポートがいるとか、国内の農業自給率がゼロだとか、まぁとにかく色んなものが破綻して窮屈な社会になっている。
そんな社会で心をすり減らした主人公が事故で死んでしまい、時間をおかずに平和な時代へ帰ってきたのがこのゲームなので、とかく「劇中の実態とそぐわない、主人公一人で勝手に言っているだけの自虐・卑屈な言葉」がやたら出てくる。
プレイヤーは荒んだ社会パートは全然知らないので、本当に「何言ってんだこいつ」と思いながら主人公の独白につきあわされるのだ。

特に「上級国民」は頻出単語で、ゲーム中冗談抜きに100回くらい出てくる。
こんなワード、SNSで例の交通事故起こしたジジイを非難する奴以外に使わねーよ。
一瞬だけ沸騰して廃れたネットミームを連発されるのは、読んでいて非常に痛々しい気持ちにさせられた。

ライターの中に社会的強者や女性への鬱屈した感情でも溜まっていたんだろうか。だとしたら、エロゲを通してそんなものを見せられるなんてたまったもんじゃないが。
通常、キャラの言い分とライターの言い分をごっちゃにしないというのは当たり前の思考なのだが、この作品は匂いがキツすぎて主人公がライターの言いたいことを言わされるためのアバターになっている感じがあった。

また、前の人生をド底辺で童貞のまま終えたはずの主人公が、社会的な酸いも甘いも噛み分けてきた学園長やヤクザの親分、黒幕相手にえらそうな説教をするパートが全ルートにあるのもキツい。
前の人生では何も成し遂げないまま死んだと明言されている主人公が、一体どんな立場で経験豊富な裏社会の人間相手に説教してんだよ。
力のない主人公がお説教で敵を倒すのって10年以上前のラノベですでに呆れられてた展開を、2020年の新作エロゲでやるんじゃあねえ。

山場で主人公を彼らとやりあえる大人の立場にしたいなら、死ぬ前の人生をもっと盛ってプレイヤーに見せるべきだったし、そうしないなら一学生、あるいはヒロインたちの恋人としての立場で出来る範囲に収めておくべきだった。

挙げ句肝心のトラブル自体は、ゲーム中顔も出さない主人公の両親が知らないところでなんとかしてくれました、という杜撰な展開で終わる。
なんと主人公の両親は世界を股にかけるスーパーマンで、国のトップや軍隊、テロリストとも仲良しなんだって。なんだその展開。物語のクライマックスで物語自体を茶番にするんじゃねえ。そんな解決法しか提示できないなら、ヤクザや黒幕を相手に戦う展開にするな。

あんまりきついので、ある程度の時期から地の文と終盤のお説教パートは読み飛ばすことにした。
どのルートでも適当なお説教→大人改心→親がなんとかしてくれましたの流れは変わらないので、読まなくても大丈夫。

序盤の、新しい人生だ、これからは少しずつでも変わっていこうと思ってた頃は好きだったよ。メインプレイヤー層である30歳以上に刺さる設定持ちだしね。

CG

このブログではさすがに貼れないんだけど、100点満点で65点というところだった。

キャラクターの立ち絵については(ヒロインは)100点なんだけど、肝心のイベントスチルがその立ち絵に似ていないことが多い。
頭身が多少ばらけていたり、立ち絵から違和感なく見れるスチルは全体の40%くらいだったと思う。

全体的に立ち絵よりロリっぽく描かれていることが多く、手足の長い女性が好きな私にはあんまり刺さらなかった。

ただエロゲにお約束のデフォルメ絵はどれもめちゃくちゃ可愛かった。
まぁこれが可愛くないエロゲってまず見ないけど。

シナリオ

とにかく文章のすべてが読みづらい。
100点満点で0点くらい。誰かライターを止めるやつはいなかったのか。

特にひどいのが、やたらと本文中のワードに違う言葉のルビが振られていること。


具体的には画像のとおり。
最初からカタカナで表記すればいい言葉も漢字にルビであてられている。
つまりプレイヤーは本文とルビの両方を読んでいかねば文章の真意は読み取れない構造になっており、ただのテキストを読むだけで通常の二倍疲れる。


また同じ文章の言い換えもめちゃくちゃ多く、とにかく表現が回りくどい。
多分きちんと推敲したら文章量は1/3くらいにできると思う。

文章が多いといってもraiL softの霞外籠逗留記や信天翁航海録のような、文体自体が世界観を作っている演出の一部になってるわけではない。
ただ、くどい。その割に内容が薄い。
小学生が作文で文字数を稼いでいるような文章が延々と続くのだ。何をしたら期待のエロゲでこんな文章読まされる地獄に落ちるの?

シナリオのネタバレについては以下。

ネタバレ

主人公がキツい

主人公の項でも書いたけど、薄っぺらい主人公のお説教が本当に鬱陶しかった。あのお説教パート見てかっこいいと思える人類は地上にいないと思う。

物語の基本ってのは因果応報、悪いやつは倒されるべきで、頑張ったやつは報われるべきってのが原則(意図してズラす物語はもちろんあるが)。
だと思うんだけど、主人公は頑張ってないんですよね。
周りの大人をお説教で焚き付けるだけで、あとは周りが勝手に動いてなんかいい感じに収まって、ヒロインと結ばれる。
自分は何もリスクを追わないまま、リターンだけ得ているのが本当に気持ち悪い。都合の良すぎる展開があまりに多く、アイが仮説として唱えていた「主人公のメンタルをサポートするためのご都合主義仮想空間」というのが正解であってほしかったくらい。

最後までふせられた嵐の日

件の嵐の日が具体的にどうだったのか、プレイヤーは最後までわからないままというのもひどい。
当事者である乙名姉妹ルートでさえ、記憶の曖昧な二人からの口頭の説明で終わってしまう。普通全ヒロイン攻略後のトゥルーエンドで全部はっきりするやつだろこれ。
黒幕が主人公の何にどう怯えていたのかも、わからないままになってしまった。
(多分銃で撃たれても平気で起き上がってきて黒幕をボコったことなんだろうけど、複数ルートの描写を組み合わせないとわからない)

すごいひとがすごくない

黒幕、学園長、瑞希の親、主人公たちの親。
いずれも広い分野で強力な影響力を持つはずの大人たちなんですが、彼らの凄さが「口頭」でしか説明されないというのが本当に駄目。

たとえば黒幕が主人公を学校から追い出そうとする展開。
黒幕はちょいちょい顔を見せては出ていけ~と急かすだけで何もしてこない。
例えば、実際に追い出された主人公が黒幕の暗躍で社会に居場所をなくしていく…みたいな「彼らの凄さに影響されて動くドラマ」が一切出てこない。
全員「俺が本気になればお前なんてなんでもないんだぞ」と口だけで脅してきて、主人公の口だけの言葉で言い負かされていく。
口論の内容さえ差し替えれば、学生同士の喧嘩でも同じ展開が書けるくらいに内容が無い。

公式詐欺

また、公式サイトでは「各ヒロインたちも前世ではバッドエンドを迎えており、二周目の主人公と出会うことで人生が変わる」というコンセプトが説明されている。
というのに、肝心の一週目バッドの内容がプレイヤーには全く説明されない。
公式サイトのキャラ紹介の方が具体的かつはっきりと記載してくれている始末。
このコンセプトとシナリオなら、一周目バッドを全員分きちんと書いた上で、二週目の主人公が彼女らを助けるシナリオにすればよかったのに。
主人公自身は彼女らがバッドエンドを迎えたことなど知らず仲良くなっており、公式サイトにあるような「一周目の世界で失敗したヒロインを助ける」ような趣旨の物語には一切なっていない。

公式で「お気楽コメディ」を標榜し、シリアスはコントの一部とまで言っているくせに、実態はそのフレーズに全く合っていない公式詐欺であった。

総合評価

100点満点中35点。
なお、その35点はキャラとシステムとBGMのみに送られます。

一番気に入らないのは、公式にある売り文句があらかた嘘ばっかりだったこと。
特に主人公が一度死ぬ前の、ヒロインたちのバッドルートが本編中一切掘り下げられないのは本当にひどいと思う。
主人公が物語の過程で「自分と出会わないルートだと悲惨な目に合っていたのでは?」と想像してみるだけで話が終わるという信じられない展開。

総じて「めちゃくちゃ美味しいドラマができるだけの設定・キャラ・世界観を作っておきながらそれを1%も活かせず終わったシナリオが戦犯」という感じ。
ラブコメをしたいならあんな設定にするべきじゃなかったし、あんな設定をやりたいんだったらラブコメにするべきじゃなかった。

どっちか片方に振り切るだけで満足度70点はいけたと思う。
どっちつかずの中途半端をやった結果、シリアスもコメディも描写に圧倒的に厚みが足りない、薄っぺらいシナリオになってしまった。

それでもキャラは本当に可愛かった。
特に前述したトップ3は可愛さについては文句なし。しばらく頭から離れないであろうくらいには可愛かった。

それでもフルプライスで満足できるゲームではなかったなあ…。
2500円くらいが妥当だと思う。
シナリオ全面的に作り直したら5000円でもいいよ。

スポンサードリンク

前の記事へ
次の記事へ

コメントをどうぞ

名前の入力はしなくても大丈夫です(匿名表記になります。)